電子工作の実験室 放熱の基本設計法
これに基づいて値をあてはめると、
【FET】
半導体の許容温度 Tj-Max 150℃
安全率 0.7 → Tj = 105℃
部品内部の温度抵抗 Rj = 0.4℃/W
【ヒートシンク接合部】
熱伝導シートを使っているので Rc = 2℃/W
【ヒートシンク放熱性能】
本体上部のヒートシンク部分 240mm × 190mm 2.5mm厚
参考資料のアルミ板の熱抵抗より、
自然空冷 Rf = 1.2℃/W と推定
【周辺温度】
Ta = 50℃
参考資料より
Tj - Ta > Q × (Rj + Rc + Rf)
FET 16個で構成されているので
Tj - Ta > Q × ((Rj + Rc) ÷16 + Rf)
105 - 50 > Q × ((0.4 + 2)÷16 + 1.2)
Q < 40.7 W
GTIの変換効率85%とし、損失40.7Wの値は
40.7W ÷ 0.15 = 272W
内蔵されているファンは小さく、ヒートシンクの性能向上の為と言うよりは、装置内温度上昇によるコンデンサなどの部品の劣化対策用と考えた方が良いでしょう。
追記 FET 7個は左側の小さなフィンで強化され、ファンの風が当たるように設計されていました。
上記の仮定が正しいとすれば、GTI出力とヒートシンク性能の関係は、
比較的ヒートシンクが大きいため、単純な放熱は簡単そうです。ただし、装置が小型であるため内部に熱がこもりやすく、これの対策がメインになりそうです。
蓄電システム.comの我が家の独自回路・配線自慢に、冷却システムを強化したGTI500Wが紹介されています。記事中にもあるように、このGTIは変換効率が悪いので発熱が酷く、大容量にする場合は上位機種への交換を推薦されています。
上記を総合し、GTI600Wの最大出力は272W、入力換算で320Wまでの入力に留めるのが良さそうです。
太陽光パネルが仕様の90%動作するとして、400Wくらいのパネルを接続するのが宜しいかと考えます。
仮に変換高率が85%→93%となった場合、600W出力時の損失は
106W → 45W
となり、上記熱設計で問題なく動作すると考えられます。カタログ表記としては僅かな違いですが、実使用で大きく差がでますので、購入の際にはよく考えてから決めましょう。
以前紹介した韓国のマイクロインバーターは変換効率93%なので、少し後悔しています。まぁ、値段が高かったので結局買えませんけどね ^^;
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