2019年4月27日土曜日

【話題】60V インバータとリチウムイオン電池の組み合わせについて

 最近の記事なので、既に読まれている方も多いと思いますが、ブログ読者様から60Vインバータを譲って頂きました。12V鉛バッテリ 5個を想定した製品です。
 我が家のメイン機 20Sシステムでも使っている中華激安正弦波インバータです。安さもそうですが、電圧ラインナップが豊富なのが魅力なんですよね。
前から気になっていたのですが、レアな電圧というものあってAliの製品情報なし、メーカーに聞いても返事なしとトホホな感じ。そんな秘密のベールに包まれた存在だったのですが、今回の修理で電圧範囲 52.0~80.0Vと判明しました。12V電池あたり10.5~16.0Vと想定の範囲ではあるものの仕様が分かると安心です。

マンガン酸リチウムのパターンに当てはめると16~19セルが有効ですが、過放電防止から16セルが扱いやすそうです。
インバータ放電テストで使ったLEV40-8を単純に2直列で組んだだけのシステムですが、思った以上に使い勝手が良く、このままでも使えそうです。
 バッテリユニット間のバランスが気になるところですが、もともとそんなにバランスは崩れるものではありませんので、電圧計を付けて定期的にチェックする程度で行けそうです。

2019年4月25日木曜日

【修理】リチウムバッテリ充電器 UY900 修理してみた その3

前回までのあらすじ
・見た目は問題なし
・各部の波形も問題なし。強いて言えばスイッチング部で少し乱れがある。
・20W負荷での発熱も特に問題なし。

といたって正常です。

今回は負荷を大容量のものに交換し、充電器の出力電圧で調整しながら進めました。
発熱に注意しながら、色々していたので記録がほとんど残っていませんが、記憶を辿りながら書いていきたいと思います。

測定環境
 ・AC100V ⇒ ACワット計 ⇒ 充電器 ⇒ DCワット計 ⇒ 負荷

20V DC 100W ACも同程度 記憶があいまい
30V DC 300W ACも同程度 記憶があいまい
60V DC 600W ACも同程度 記憶があいまい

発熱の方も特に目立った様子はありませんでした。
なんかパチパチ音がする・・・。
いったん電源を落とし、基板上を細かくみましたが変化なし。

再度On!
そういえばヒューズ周りが熱くなるって言ってたな・・・・、えっ!!
少し焦げ臭い感じもします。 ヤバい!
ヒューズボックスを確認すると見事に溶けており、一部焦げている状態でした。
接触不良が起きるとその部分が発熱し事故につながるケースがありますが、正にそれです。

モノタロウで似たようなものを発注。届いたのがこちら、左がモノタロウ 250V 10A、右が付いていた250V 15Aです。電流は異なりますが金属の厚さは同じ。材質とかあるのかもしれませんが、なんか騙されている感じ ^^;
元あったように組み立てます。ヒューズもカチッとしっかり収まりました。
VRの内容も調べていたんですが、終点でカチッっと音がしないやつがあって調整位置が分からなくなってしまいました。ヤバい!
試行錯誤していく中で
 VR1、VR2 電圧調整(時計回りで電圧上昇)
 CLR1    充電完了判定(LED 赤⇒緑)
 CR1、CR2 電流調整(反時計回りで電流上昇)
であることが分かりました。電圧・電流の1,2の違いは不明のまま。どちらも同じくらい値が動きます。悩んだ末、同じくらい回しておきました。

設定電圧は65.0V(4.06×16セル)、電流 7.0Aとしました。電流に関しては発熱見合いでもう少し下げてもいいかもしれません。

テスト環境はインバータの時と同じです。
こちらはAC 498W、DC 431Wの86.7%。まぁ、こんなもんですね。
発熱のほうは、毎度ながら結構熱くなっています。
AC端子まわり 正常
整流ブリッジ
IGBT
整流ダイオード
結構熱を持っていますが、近くにファンがありますので、動き出せば発熱も収まるでしょう。

充電器に関する故障はヒューズボックスの絶縁不良に伴う発熱だけだったようです。分解して損した感じですが、回路の勉強が出来たのでよしとします。

これでインバータと充電器の故障修理が完了しましたが、このような機会を与えて頂きありがとうございました。

2019年4月24日水曜日

【修理】RELIABLE ELECTRIC PURE SINE WAVE INVERTER 60V 1000W その5

前回までのあらすじ
・IGBTの1個が焼損。予防交換&昇圧回路テストのため4個とも外す。
・昇圧回路は2ブロックあり、【1】ショート状態にてNG、【2】OK。
・昇圧回路【1】のMOS FET 1個破損を確認。外したところショート改善。
・フォトカプラも少し怪しいので、予防交換。
・昇圧回路【1】のMOS FET 新品交換
・IGBT 4個 新品交換
・150W負荷にて正常動作確認。

さて、いよいよ最後のテストです。500Wの負荷を掛け、発熱とファンの動作確認を行います。

試験環境はこちら、
DC 576W、AC 523Wで90.8%。
発熱は主にトランスとIGBT。65℃くらいでファンが回るようです。普段から低速で回せばいいのに何故だろう。

0.2KWh消費しテスト完了
修理完了し、動作も問題なさそうです。よかった ^^;

2019年4月23日火曜日

【修理】RELIABLE ELECTRIC PURE SINE WAVE INVERTER 60V 1000W その4

前回までのあらすじ
・IGBTの1個が焼損。予防交換&昇圧回路テストのため4個とも外す。
・昇圧回路は2ブロックあり、【1】ショート状態にてNG、【2】OK。
・昇圧回路【1】のMOS FET 1個破損を確認。外したところショート改善。
・フォトカプラも少し怪しいので、予防交換決定。

やっと部品が揃いました。あっ、フォトカプラの写真忘れている・・・。
写真に撮るのを忘れられたフォトカプラですが、作業の関係で先ずはここから始めます。
自動はんだ吸取り器があればこんなの簡単。あっという間に取れました。
裏面
メイン基板の方はこんな感じ。
サブ基板に戻り、保全交換するフォトカプラ4個と作業的に邪魔な電解コンデンサを外します。
新品のフォトカプラを付けて、サブ基板修理完了!
サブ基板を戻したのち、壊れたMOS-FETを交換して動作試験。
  ⇒ 昇圧部が正常動作することを確認。

前回チェックでフォトカプラ入力および電源が正常であることを確認していたのもあり、フォトカプラ出力の確認は省略し、IGBT 4個を実装。

動作チェックしたところ、あっけなく動き出しました!!
綺麗な正弦波です。
しばらく様子を見ましたが問題なさそうなので、ケースに戻します。
軽めの負荷として140Wを掛けてみましたが問題なさそうです。
発熱も概ね問題なし、
IC類の発熱は軽微
反対側も良好

少し慣らし運転後、電圧アラームのテストをしてみたいと思います。

追記
 電圧範囲 52Vで定電圧アラーム、80Vで出力停止となりました。

2019年4月22日月曜日

【修理】RELIABLE ELECTRIC PURE SINE WAVE INVERTER 60V 1000W その3

前回までのあらすじ
・IGBTの1個が焼損。予防交換&昇圧回路テストのため4個とも外す。
・昇圧回路は2ブロックあり、【1】ショート状態にてNG、【2】OK。
・昇圧回路【1】のMOS FET 1個破損を確認。外したところショート改善。
・MOS FET入荷待ち

しばらく休憩予定でしたが、手持無沙汰なので出力回路の制御部の動作確認をしました。
回路を確認するのに放熱フィンが邪魔だったので外します。
情報によるとフォトカプラが壊れることが多いようなのですが、どうでしょうか?
別の角度から、
なんか裏に色々かいてありますね。
フォトカプラTLP250は
下の様にちゃんと出るやつもあるし、そうでないやつもある。フォトカプラの入力にはきちんと入っているので少し怪しい感じ。
FETが欠損しているため、制御が掛かっているのかもしれないが、インバータの基幹部品なので、ここは予防交換することに決定。少し高いが秋月電子に頼もう。

2019年4月21日日曜日

【修理】リチウムバッテリ充電器 UY900 修理してみた その2

前回までのあらすじ
・見た目は問題なし
・大まかな回路構成(推測含む)
今回はブロック順に波形等確認していきたいと思います。
無負荷だと波形が乱れるので、LED電球で20Wほど掛けています。

・AC 100V⇒DC 280V部
 タイトル文そのまま。

・DC⇒AC部
 IGBTのG端子は2個ともこんな感じ
 
 G端子を辿っていくとトランスBがあり各々のIGBTに向かっている。フォトカプラと同じ感じで使っているようだ。
・トランスA 1次側
・トランスA 2次側
スイッチング電源がどういうものか良くわからないので、上記波形が正常かは不明です。

・AC⇒DC部 FM36Sで整流し波形を整えています。出力端子手前にリレーがあり、バッテリが接続されたときのみ出力される仕様になっていました。

発熱に関しては、20W程度ではこの程度。熱が出ているのは制御部の電源周りと思われます。

スイッチング波形に一部気になる点がありますが、概ね問題ないように見えます。
次はもう少し負荷を掛けてみたいと思います。

【修理】リチウムバッテリ充電器 UY900 修理してみた その1

こちらもブログ読者様のご好意で譲って頂いたものです。インバータの部品がなかなか届かないので、故障内容を確認したいと思います。

本当はこっちがメインで、インバータはオマケとして頂きました。なぜインバータから始めたかと言いますと理由は2つ
 【1】実験用DC電源があるので、ショート状態になってもリカバリが容易だった。
 【2】DC60Vインバータが欲しかった ^^;

なんといっても【1】の存在は大きかったです。インバータ回路はスイッチをOn/Offして波形を作っているので、スイッチの間違った組み合わせ状態=ショートとなり部品が燃えます。

インバータで経験値が少しあがったので、本命の充電器にチャレンジです。こちらはAC100Vに接続するので一歩間違えば確実に燃えるでしょう ^^;

先ずは現状確認から、中華製 AC 90-130V入力、60V、10A充電器です。
電源と満充電のLEDのみでスッチすらありません。
中は綺麗な状態で目立った破損個所はありません。2年ほど使っていたところ、突然ヒューズが切れ、交換後も管ヒューズが熱を持つようになったそうです。
見えない不具合が一番怖いので、先ずは分解し構造を確認したいと思います。
いきなり敵が現れました! 中華あるあるなんですけど、固定材でそこかしこ固められています。分解することは全く考えていませんね。
放熱フィンもネジ1本かと思いきや、同様に固定材が!!
なにやっても外れなくて苦労しました。今思えばヒートガンで温めながらやればよかったと思います。
放熱フィンにあるICは、
・整流ブリッジ GBJ2510(25A 1000V耐圧)
・IGBT GP20B60PD(20A 600V耐圧)
・出力共有タイプの整流ダイオード FM36S(20A 600V耐圧)
制御基板関連としては、VRが5個もあります。うぅぅむハマりそうな予感。
 メイン基板 VR1
サブ基板  VR2
       CLR1
       CR1
       CR2
・VRはBAOTER 3296 25回転みたいです。

サブ基板に載っているMZP6623って何だろう? 謎だ。