2019年12月31日火曜日

初期リーフ14Sシステム 組んでみた

久々に初期リーフバッテリが手に入ったので組んでみました。
年式2011年9月 走行距離 115,853Kmと、かなり頑張ったバッテリです。
 
いつものように7枚構成で組んでいきます。
細かな事は過去記事を見てくれると嬉しいです。
60A スマートBMSを接続して、
あっという間に完成。
下が中期、上が初期ですが、箱にはいると見分けがつきませんね ^^;
今回は、4A定電流でセル上限電圧 4.15Vで充電停止としました。
停止後10分でのセル電圧は4.1V程度と普段よりも低めでのスタートです。
負荷はGTI 600W定電力放電、最低セル電圧3.3Vで放電停止です。
 
BMSには暫定値で48Ahを入れていますが、初期リーフなので44Ahくらいなんだろうな。
放電後半、かなり乖離が出てきました。
36Ahですね。セルバラつきや4.2Vでしっかり充電すれば40Ahはあると思うので、残量62%(40/64)のハズレバッテリとなります。
とは言うものの、GTI経由で1.64KWh、バッテリ正味で1.94KWh程度あります。
600Wのエアコンを2時間30分動かせるわけですから車載用としては十分使えるレベルだと思います。
3.7V以下からセルのバラつきが大きくなる傾向は同じなので、利用範囲は3.7~4.1Vで良さそうです。

2019年12月21日土曜日

初期リーフ分解方法について

リーフバッテリの発掘作業も珍しくなくなってきましたが、見ていて怖い事例もあったので、お勧めの分解方法を紹介することで少しでも安全に作業できたらいいなと思い掲載します。あくまでも自分の手順ですので、参考にする際は自己責任でお願いします。

注意 リーフバッテリ内部は高電圧ですので十分注意して下さい。
 ※ 安全プラグを抜いた状態でDC 192Vあります。
 ※ 感電による死亡事故が起きうる電圧ですので、『低圧電気取扱作業者』程度のスキルが必要です。

バッテリ情報はこちら。リーフにしてはかなり走りこまれています。
 型式: ZAA-AZE0
 年式:2011/09
 走行距離:115,853

手順1 上蓋を止めているネジを外す。
手順2 安全プラグ周辺のネジを外す。
手順3 上蓋を開ける。
手順4 BMSを外す。

手順5 温度センサを外す。
手順6 低層部192Vを2分割化。
※ 高層部 192V、低層部 96V、96V
手順7 高層部から伸びているケーブル2本を取り外します。
※ リレーボックスと安全プラグコネクタに伸びているケーブルです。取り外し後はバッテリには繋がっていませんが、気になる場合は絶縁テープを巻くなどして下さい。


手順8 安全プラグコネクタ取り外し
※下図の2ヶ所切り離したのち、台座ネジ4本で安全プラグコネクタが外れる。

手順9 リレーボックス取り外し
※ボックスカバーが4ヶ所 ツメで止まっているので外す。
※外部端子、低層部バッテリ向け配線、高層部バッテリ向け配線を外す。

かなり風通しがよくなりました。

手順10 横バーの取り外し
※ネジが固く、恐らく一番の難所です。
手順11 バッテリユニット取り外し
低層部
高層部

【故障修理】COTEK SP-2000-124 24V 2000W その6 IGBTを動かす

前回までのあらすじ
IGBT破損 (7/8) 全交換予定。修理のため取り外し
ヒューズ破損(10/10) 新品交換
・昇圧回路 2系統 上段 正常
・        下段 FET破損(1/10)新品交換
IGBTドライバ破損(1/4) 新品交換
IGBTドライバ出力側回路の発熱とりあえず放置
・IGBT駆動回路 A,B正常
        C,D無動作時の髭が気になる
・IGBT G-E間 一部にオーバーシュート、アンダーシュートあり
             ⇒ 部品未実装要因かもしれないので放置

 IGBT周辺に関しては、『電子回路シミュレータ LTspice XVII 使ってみた』で進捗があり、下記の項目は解消しました。
 原因 ツェナーダイオード 3/4破損(抵抗化 1、断線 2)、10Ω抵抗 1本破損

ではIGBT G-E間を確認してみましょう。
A・B
 
C・D
問題なさそうですね。IGBTを付けてみます。
100Vキター!!
簡易テストにて、
・アイドル時消費電力    正常 13W(25.01V × 0.54A)
・LEDライト点灯     正常
・DC入力電圧インジケータ 正常
・放熱ファン        簡易実験では動作せず

念のためサーモで確認すると、昇圧トランスが一番、続いてIGBTが発熱しているようです。少し様子は見ますが、SP-3000が定期的にファンが回っているので少し心配です。

電子回路シミュレータ LTspice XVII 使ってみた

 電気についてコツコツ勉強しているのですが、失敗すると燃えますし、間違った部品を購入すると無駄になってしまいます。

 そんななかYoutubeで面白い動画を見つけました。最近Googleさんは教材系のコンテンツに力を入れているようですが、非常に助かります。


 例のインバータのIGBTドライバ回路が何をやっているのかさっぱり理解できないので、動作をイメージするためシミュレーションしてみます。
抵抗は番号が振ってあるので、その値を採用。黒い部品7V5Bは7V 500mW 定電圧ダイオード(ツェナーダイオード)。ガラス形状のダイオードが不明だったので、両方とも測定してみました。例のICチェッカーでは、ただのダイオードとしてしか認識してくれません ((+_+)) 仕方ないので、CC/CV電源で20mA定電流で電圧を色々振ってみたところ両方とも同じ7V付近で落ちることが確認できました。
シミュレータで利用するIGBT駆動ドライバIC T350はないので適当に置き換えて、こんな感じにしてみました。
結果はこちら、D2がなんで入っているのかシミュレーションしても意味不明。
ツェナー効果が入る分、ゲートに入る電圧が下がってしまいます。実際には+17V~-7Vの信号が入っているので他の要因がありそうです。気にせず進めます。
この回路で色々試したところ、D1が切れていると故障回路の信号と同じになりました!
おかしいなぁ、基板実装状態ではダイオードとして見えてるんですけどね・・・・?!!
おぉぉぉ、3/4も破損しているではないですか。(抵抗化 1本、断線 2本)
念のためIGBTまでの部品について、取り外し確認したところ、10Ω抵抗1本が断線していただけで、残りは大丈夫そうです。

今回はたまたまかもしれませんが、回路シミュレータで故障修理もなかなかありかもしれませんね。

2019年12月8日日曜日

【故障修理】COTEK SK3000-148 48V 3000W 2nd その5 少しずつ基板を直そう

前回までのあらすじ
・分解、修理痕なし
・見た目は正常で部品割れ、焼損等無し
DC入力 20Aヒューズ 、主・副とも断 ⇒ 主側、20A×2個で仮復旧
・主電源のIGBT 2/4、FET 10/12破損 ⇒ FET交換
サブ基板内にて短絡確認 ⇒ 短絡復旧
 U2 SG3525A 破損 ⇒ 新品交換
 U8 7805A 正常
 U9 ST232B 破損  新品交換
 U11 7805A  正常
 U15 PIC16F886 破損 ⇒ 回路修復のため撤去
 U18 2904 破損 ⇒ 新品交換
 Q5 IRF640N 正常
 Q7,9,11,13,20,21,22,23 発熱しており、切り分けのため取り外し

PICがないと動かないけど、そのうちなんとかなると信じて修理を進める。

発熱していたQ7,9,11,13,20,21,22,23について、TFTトランジスタテスタ(Multi-function Tester TC1)で確認します。

昇圧FETドライバ 左Q21,Q23 2TN(2TZ)、右Q20,Q22 2X1
正常 2TN(2TZ)
 
正常 2X1
不良 2X1

Q7,Q9,Q11,Q13 RK3
正常 1個
 
不良 3個
 
正常 1個と怪しいので4個とも交換しよう。
代替品 RKM