2019年7月28日日曜日

【故障修理】COTEK SK3000-148 48V 3000W その4 故障原因判明

前回までのあらすじ
・見た目は正常で部品の焼損等なし。
・副電源側は多数の修理痕あり。
 ⇒ IGBTの点検を兼ね部品再取り付け
  ヒューズ周りが酷いので修理。30A×2個から20A×3個に修復
主/副電源ともIGBT、FET周りは正常
・テスト中に副制御基板Q13焼損。一般的なFETみたいなので代替品と交換
Q11の入力が他と比較し低い

ということで、Q11ラインを確認すべく主要部品を取り外してみました。
残念ながら、D36の上で信号は止まっており、それ以外の部品も見当たらないことから、制御ユニットに原因がありそうです。

こんな感じで固められているので、触りなくなかったのですが仕方ありません。
下側2個のICが怪しいので、ゴリゴリって感じでカッターでひたすら削ります。

ゴリゴリ、ひたすら削ります ←ここ大事

黒い雲の中から現れたのは、LM2901でした。良かった、普通のICです。
調べていく中で、左IC回路内の短絡が見つかりました
先ほどの回路と重ね合わせると・・・・、見事に一致!!
これで、FETが燃えた原因もQ11の入力が低いのも説明できます。
ということで、さらにゴリゴリします。
ゴリゴリ、ゴリゴリ・・・・・ふぅ

削り、アルコール洗浄、ハンダ、アルコール洗浄、削りを繰り返していると、
故障したICを撤去したことで、短絡部分は解消
あとは部品を交換するだけなんですけど、いつ届くことやら・・・orz

2019年7月27日土曜日

【故障修理】COTEK SK3000-148 48V 3000W その3 制御基板修理・ヒューズ交換

前回までのあらすじ
・見た目は正常で部品の焼損等なし。
・副電源側は多数の修理痕あり。
・主/副電源ともIGBT、FET周りは正常

ということで、簡単に修理できる部分は概ね正常で、残すはメイン基板とそれに付随するセンサ関連となりました。

と、ここで事件発生!! インバータを組みなおし、色々テストしていたところ副電源側のチップ部品が焼損してしまいました。
既に取り外してありますが、Q13が焼損箇所です。IGBTに繋がるフォトカプラを駆動する回路のようです。
表記はRK Lと記載されていますが、チップ部品は品名が特殊で特定が困難なため、回路から部品選定する必要があります。主電源側の回路で確認したところ、一般的なFETで置き換えられそうです。
その他の発見としては、4本の制御線の中でQ11の入力信号だけ±7Vと他よりも低いことが分かりました。また、IGBT(図 緑線)が駆動する際は図 赤線と連動しており、どうもこれが監視線の様です。今後はこの辺を追いかけてみたいと思います。

番外編
副電源のヒューズ修理が酷く、古いヒューズの足に無理やりハンダされているので修復します。
ラインがしっかりしていて90Wでは刃が立たないので、150W半田コテを使います。
部品を取り外し、半田吸取り線でクリーニングします。
基板に記載されていますが、20A 3本を指して完了。
もう少しハンダを盛ってもよかったかな。

2019年7月19日金曜日

【故障修理】COTEK SK3000-148 48V 3000W その2 昇圧部・駆動部確認

前回までのあらすじ
・見た目は正常で部品の焼損等なし。
・副電源側は多数の修理痕あり。

ということで、まともそうな主電源側を動かしてみる。
先ずはIGBTを取り外してみた。短絡等チェックしてみたが部品/基板とも正常

制御基板を戻し、安定化電源にて49V 2Aを供給してみるとシステムチェック後、動こうとするが直ぐに停止してしまう。以下はその数秒の波形。
MOSFET群 上段
 
MOSFET群 下段
 
昇圧トランスの出口
 
結果、昇圧部は正常で、整流ダイオードを経由し大型コンデンサにはDC250Vが来ていることを確認できた。

続いてIGBT制御関連、真ん中の2個に信号が来ていないが、フォトカプラの入力も同様なのでフェールセーフで意図的に止めているようだ。
 
 
 
 

概ね問題なさそうなのでIGBTを戻しテストするが、フェールセーフで停止してしまう。

試しに、副電源の基板と交換してみると、IGBTを取り外していないため少し波形が乱れているものの、概ね同じ結果となった。

うぅぅむ、なんか迷路に迷い込んでしまったようだ。((+_+))

2019年7月17日水曜日

【故障修理】COTEK SK3000-148 48V 3000W その1 分解・内部構成確認

ヤフオクで面白そうなインバータが出ていたので入手してみました。
前面
背面
出品者コメントは、「LED3個が赤色点滅して動作しません」との事ですが、この手のジャンク品は危険なので動作確認せずに分解します。

中身は1500Wのインバータが2個入っています。この辺は同型機種の記事から想定通り
前面コネクタは左側基板のみ接続されている。こちらが主電源のようだ。
裏面のファンが錆びていたが、FET固定金具もそれなりに傷んでいる。
幸いなことに見た目よりは軽微で、裏面は綺麗な状態であった。
各ユニットを分離した様子。
主電源
副電源
Master-Slave構成を期待していたが簡易版で一体回路となっている。切り分けが少し面倒になりそう。

と、ここで副電源に修理の跡を確認。
DCヒューズ周り。代替品に交換されている。半田の熱容量が足りなかったようで残骸が残ったままとなっている。
 
IGBT周り。純正のフェライトコアはノイズ対策と思うのだが、この意味不明の絶縁処理は何だろう。
 
FET周り。写真だと見づらいが奮闘の跡が ^^; 基板から取り除くことを諦め、部品の足を切って対処しています。
 

続いてDC入力コネクタ周り。こちらは見た目は問題なさそう。
 
回路を確認するため、先ずは問題なさそうな主電源で分析する。
放熱フィンを取り外した様子がこちら、
IGBTはGW20NC60VD(データシート) 30A 600V耐圧
PowerMOS FETは左右6個組で使われている。
型式 FQP32N20C(データシート) 28A 200V耐圧
残りのFET
制御回路っぽいやつ
整流ダイオードとAC整形まわり
横から
裏面
なんとなく回路が見えてきたので、次は電気を流してみたい。