ブログ読者様からの依頼品です。
漁船に搭載していた「電菱 SK3000-124インバータ」が3年目で故障し、メーカー修理に出したのですが、
『入力側のヒューズが断線しており、電源が入らない状況でした。ヒューズ以外にも、内部のスイッチング素子がすべて短絡故障しており、インバータ内部で短絡⇒保護のためヒューズが切れたと考えます。』
このような結果で修理不能となりました。
中身はこんな感じ、とても漁船で使われていたとは思えないくらい良好な状態。
なのですが、コネクタは外されたまま(*'▽')
なのですが、コネクタは外されたまま(*'▽')
メーカーさん、いくら修理出来ないにしても現状復帰して返却してくださいね^^;
とりあえず、制御基板取り外してIGBT、FET周り確認。
中央2個のIGBTがショート状態、両脇はかろうじて正常に見えますが、IGBTの端子周辺にススいっぱいで、端子自体も細くなっています。発熱で銅が蒸発したのかな?
FET側もショート確認し、ヒューズも切れています。
このインバータは1500Wが2系統で組まれているのですが、両方とも同じ壊れ方でした。片側が先に壊れる事が多いのですが、バランスの良い個体だったようです。
IGBT、FET取り外して確認、
・IGBT 2個 回路破損、2個 端子破損
・FET 9個正常、3個破損
駆動系の抵抗は全て正常、
ヒューズは20A 5個。全て交換
FET IRF8010の手持ちがないので、代替品のFB38N20で全て置き換え。
この状態で制御基板搭載し、
・FET駆動信号 正常 ⇒ 昇圧回路動作正常
・IGBT駆動信号 正常
を確認。問題なさそうなので、IGBTをつけて出力テスト。
100V出力 確認(*´ω`*)
もう片側も調べたところ、
・IGBT 2個 回路破損、2個 端子破損
・FET 11個正常、1個破損
・ヒューズ 全断
再発防止にむけヒアリングしたのですが、
・インバータへの負荷は一時的には50%超えることはありますが、30%程度で留めて使っていた。
・操作は、以下の順番でスイッチを入れている。切る時は逆の手順。
【1】ダイナモからバッテリーへの電力供給(常時24Vは切らないです)
【2】インバーター起動
【3】負荷をかける
とお手本のような使い方。うぅぅむ、悩ましい。
※追記 使用機器に電子レンジがあるようなので、他の機器と同時利用は控えるようにアドバイスしました。
最後にインバータ動作結果をメモ
【基本動作】
・メインスイッチ OK(1:通常、2:リモート)
・外部コントロールユニット OK CR-6にてテスト
・制御基板起動電圧 OK(11.6V)
・電圧によるLED表示 OK
(赤点滅 21.0V 赤 21.7V 橙 23.9V 緑 28.3V 橙点滅 29.8V 赤点滅、)
・低電圧アラーム&停止 OK(19.5V)(ビープ音あり)
・高電圧アラーム&停止 OK(31.2V)(ビープ音あり)
・AC電圧 OK(101.5V、50.0Hz ⇒ 100W負荷 101.5V、50.0Hz)
【設定機能】
・周波数切替 OK
・パワーセーブ設定 OK
・電圧切替 未確認
【負荷テスト】
・100W負荷テスト OK(1時間程度)
・温度上昇に伴うファン 未確認
・負荷上昇に伴うファン OK(250Wで回転)
・1000W負荷テスト 未確認
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