スマートBMSは汎用性が高く細かな設定が可能なのですが、正しく使うためにはバッテリの基礎知識が必要であることから、記事にしてみました。
PC設定ツールそのものの説明は、こちらを参照願います。
・リチウムバッテリ用BMS LLT-S14S301(14S用) PC設定
☆設定の流れ は以下の3ステップ。
1.読込み【Readボタン】スマートBMSに設定値を読み込む。
2.必要に応じてパラメータを変更。
3.書込み【Writeボタン】スマートBMSに設定値を書き込む。
☆基本設定【Basic Settings】
・CellOVP(cell over voltage protect)
バッテリセル 上限(充電停止)電圧 mV
・CellUVP(cell under voltage protect)
バッテリセル 下限(放電停止)電圧 mV
・PackOVP
バッテリパック 上限(充電停止)電圧 mV
・PackUVP
バッテリパック 下限(放電停止)電圧 mV
・ChgOTP(charge over Temperature protect)
充電可能温度 上限(充電停止) ℃
・ChgUTP(charge under Temperature protect)
充電可能温度 下限(充電停止) ℃
・DsgOTP(discharge over Temperature protect)
放電可能温度 上限(放電停止) ℃
・DsgUTP(discharge under Temperature protect)
放電可能温度 下限(放電停止) ℃
・ChgOCP
充電電流 上限(充電停止) mA
・DsgOCP
放電電流 上限(放電停止) mA
基本はバッテリセル電圧を決め、バッテリパック電圧はセル数を掛けた値で大丈夫です。各々のRelese、DelayはOn/Offが繰り返さないように設定するためのもの。
(例) CellOVP 4250mV、Release 4150mV、Delay 5S
【BMS動作】
・バッテリセル電圧が、5秒間 4.25Vを超えたら充電停止
・ 〃 、5秒間 4.15Vを下回ったら充電再開
【目的】リチウムイオン電池は充電停止後少し電圧が下がります。Release電圧が近いと直ぐに充電再開し過充電となってしまうため。
☆拡張設定【Advanced Protection】
・Double Over current and Short circuit protection.
ハードプロテクトのOn/Off 基本有効でOK
・DsgOCP2(discharge over current protect stage 2)
放電電流 上限 mV(シャント抵抗に現れる電圧)
・SC Value(similar to the Dsg OCP2)
短絡検知 mV(シャント抵抗に現れる電圧)
・Hard CellOVP(hardware over voltage protect)
バッテリセル 上限(充電停止)電圧 mV
・Hard CellUVP(hardware under voltage protect)
バッテリセル 下限(放電停止)電圧 mV
基本的に変更する必要はありません。
☆機能設定【Function】
・Switch
オプションの外部スイッチがある場合は On
・LoadDetect
短絡検知後、負荷をBMSが検知している間は復帰させない
・Balance
バランス機能の On/Off
・Chg Balance
バランス動作条件 Static(充放電なし)/Charge(充電中)
・LED_EN
オプション セル毎のLED表示
・LED_NUM
オプション 残量表示 5:100%、4:80%、3:60%、2:40%、1:20%
・Reserve
未使用
☆温度センサ設定【NTC Setting】
・NTC1~8
温度センサが付いているポートの On/Off
☆バランス設定【Balance Setting】
・Start Voltage
バランス開始電圧 mV
・Windows
セル電圧の上下差分 mV
☆その他設定【Other Setting】
・Resistor
センサの固有値
・Pack Num
BMSのセル数
・Cycle
・Serial number
・Manufacture
・Date
・BarCode
☆容量設定【Capacity Setting】
・Full Capacity
バッテリーパックの実際の容量
・Cycle Capacity
サイクル容量の計算に使われる容量
・CellFullVoltage
100%と認識するセル電圧
・CellEndVoltege
0%と認識するセル電圧
・Rate of Discharge
バッテリーパックの自己放電容量
・80% Capacity Vol. ~ 20% Capacity Vol.
BMS起動時に使われる残量閾値。通常は充放電電流の積算で表示される。
・Switch Time
・LED Time
☆まとめ
リチウムイオン電池の上限/下限は仕様で確認できますので、適切に設定してください。充電器によっては電圧が出ていないと充電できないタイプがあるので、その場合は下限を低めに設定し、運用でカバーします。
バッテリ残量はセル電圧からある程度推測することが出来ます・電池の種類や劣化具合によって微妙に異なりますので、ご自分のバッテリに合わせて設定してください。
初めて書き込みます。
返信削除マートbms 4s 12v 150aバランスボードlifepo4
スマホで、監視してますが、CurrentAが、表示されなくなりました。
何か設定方法ありますか?
突然の質問で申し訳ございません。
電流センサの校正を試してみて下さい。それで直らない場合は回路が壊れているので直す必要があります。破損部品さえ特定できれば簡単に直せると思います。
削除返信ありがとうございます。
削除公正や回路点検のネットで紹介されてましたら、教えて頂けると幸いです。
お願い致します。
校正は簡単で電流を流さない状態でidle校正、分かっている電流で充電して充電値で構成、分かっている負荷で放電して放電校正するだけです。回路の点検は基板を眺めながら考えるしかないです。
削除ありがとうございます。
削除色々試してみます。
基盤の修理もなさるんですか?
削除スマートBMSの回路図は、手に入りますか?
質問ばかり すいません!
BMSの回路は細かいですが、複雑ではないので追いかければ直せると思います。過去にトランジスタのハンダ不良で充電が出来なくなったものがあり、修理しています。
削除こんにちは、バランス開始電圧とはどう考えたらよろしいでしょうか?
返信削除指定電圧以上で各セルの差分が指定電圧以上あった場合にバランス開始(電圧の高いセルを放電する)します。常に個々のセル電圧を合わせる必要があると勘違いしている方がいますが、バッテリを最大限活用するのが目的なので、満充電時にそろっていればいいんです。バランスは無駄な動作なので最小限に起動するように設定するのがコツです。
削除