2019年6月8日土曜日

【故障修理】中華ソーラーチャージャ SL-03

Facebook友の有安さんから故障したソーラーチャージャを譲って頂きました。
回路の勉強を兼ねて修理していきたいと思います。

☆商品紹介
中華ソーラーチャージャ SL03-4830A です。

充電パラメータが可変なので、リチウムイオン電池にも対応している優れもの。
PWMタイプなので値段も安く、これから独立系DIYを始める方にお勧めです。
☆故障状況
 直接的な故障要因は不明。バッテリを接続しても液晶画面は消えたまま、太陽光パネルを接続するも充電しない状態とのことでした。

☆中身を確認してみた
 裏面のヒートシンクを外すと2ヶ所放熱している部品があります。
基板を取り出してみました。表面はLCDとマイコン、電源。
30Aのヒューズがありますが健在でした。ヒューズの両隣のジャンパのように見えるのはシャント抵抗ですね。これで電流を測ります。
念のため基板のダイオードと思われる部品も調べてみたが、特段の異常なし。
・M7 整流ダイオード(1000V1A)

・S4 ショットキーダイオード

裏面はPower MOSFET IRFS4010が3個。耐圧100V、180A
左がライト用、右が太陽光パネル用。太陽光パネル向けFETは直列接続され同時駆動されており、真ん中がセンサー回路に繋がっています。
 不明点1.FET 1個でいいと思うのですが、2個必要な理由は??
IRFS4010(データシート)
目視での点検、主要な端子をテスタであたってみるものの、短絡など目立った異常なし。

☆光を当てて回路を見やすく してみました。
 LCD配下の配線が分かりにくいのですが思いのほかシンプルな構造です。


☆マイコン周辺から 攻めてみた
 LCD画面が出ないことからマイコン周りの電源を確認してみる。

nuvoTonのARMマイコン M054LDN データシート
 DC入力は+5V(電圧範囲 -0.3~7.0V)

テスト端子、回路からVdd、?、?、?、GNDまでは判明。
Vddは0.5V程度なのでマイコン電圧異常を確認
なんとなくリファレンスデザインのSWD Interfaceに見えてきた。
 Vdd、ICE_CLK、ICE_DAT、nRST、GND
ってことかな。
マイコン電源が来ていないので電源ICを確認する。
DC to DC Converter XL7015E1(データシート)
 入力電圧範囲 5~80V、出力 1.25~20VのDC-DCコンバータ。ついている場所からUSB用+5Vかと思ったが、これ以外の電源回路が見当たらないこと、上記マイコンが+5Vで動作していることから共通なのかもしれない。
 
すぐ隣のコンデンサまでバッテリ電圧が来ており、Pin1.VINに接続されている。
Pin1.VIN +48Vに対して、Pin2.SW +0.5V !! 異常を確認。
回路的にショートしていないようなので、試しに+5Vを入れてみると・・・・
おぉ、動いた!
当初下位機種の4810Aや24V版かもと言われましたが、設定が48V向けであること、ヒューズが30A、そして起動画面に30Aとあるので4830Aで間違いなさそうです。
電源IC XL7015を取り外し、Pin2.SW端子に+5.9Vを掛けたところTEST端子およびUSB端子にて+5Vが出るようになりました。
☆あとは部品が届くのを待つだけ です。
といっても中華なんでいつ来るか分かりませんが・・・orz

追記
・液晶画面がシンプルすぎて良くわからないのでメモ。

上段2列が通常時、下段2列が設定時の内容。
設定1:Load working model
   出力(ライト)のOn/Off設定
     00h:太陽光パネルでOn/Off
     01~15h:太陽光パネルで制御、xx時間後に消灯
     16h:手動でOn/Off
     24h:常時On
設定2:Light Sensitivity
   昼夜の判定閾値。規定値は30%(バッテリ電圧のxx%)
設定3:Charging Voltage
   充電停止電圧
設定4:Float Charging Voltage
   満充電時の保持電圧
設定5:Under Voltage recovery Voltage
   設定6で停止後、再放電と判断する電圧。
設定6:Under Voltage protection Voltage
   放電停止電圧
設定7:Temperature compensation Voltage
   鉛バッテリの充電電圧補正値(規定値 -4 ⇒ 4mv / 2vfC)。
   リチウムバッテリ利用時は0とする。

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