2022年6月14日火曜日

【故障修理】PURE SINE WAVE POWER INVERTER 5000W 60V 50Hz

修理依頼品です。最近サボっていたのですが、困っているようなので受けました。 

【状況】
・1年半程度利用。買って間もない頃に電動工具等々一気に使用した時に、AC出力の電圧計が表示されなくなった
・最近、通電中にLEDライトを交換したら電源が切れてしまった。その後 Off/Onするも反応なし。
・インバータ内部のヒューズ 14個破断4個正常
AC出力側基板に焦げあり

では開封。上下に分かれていますね。上側
下側
試行錯誤の結果、このような形であれば開けることが判明。
コネクタとか似通ったものが多用されているので、向きを変えて記録
先ずは上側の黄色い基板から。
DC 60Vをトランスで昇圧する回路が2個乗っかっています。この基盤のヒューズは切れなかったそうです。FET周りを確認しましたが正常
記録として裏面
次に白い基板。下部および上記基板から受電した交流を整流し、IGBTでAC200Vを作成しているようです。
下側 8個ダイオード、上側 6個 IGBT
裏側にもIGBT 6個ありますね。
60EPU06 60A整流ダイオード
IGBT側は60A×3個のセットで組まれている。
FGH60N60SMD 60A、600V、IGBT
あれ、なんか知らんけど左右で部品が違う!! (*'▽')
L線側 40A、N線側 60A !!!
過去の経験から60Aが正規と思われるので、40Aだと3333Wのインバータ相当といえそうです。

FGA40N65SMD 40A、650V、IGBT
壊れていたのは、こちらのFGH60N60SMD 3個
同じものが無いので、代替品 60N60FD1 600V、60A、IGBTと交換します。

次に焼損した部分を洗浄して確認。
 シャント抵抗の出口側のパターンが燃えているだけで、コンデンサや電流検知用のトランスは問題なさそう。恐らく、大電流が流れた際にシャント抵抗と上層基盤の接触部分が発熱したのではないかと思われる。
 本当は部品とって確認するところなんだけど、大変そうなのでそのまま放置とする。

次に下段基板なんですが、外さず上からFETを確認し正常。(*´ω`*)

最後にAC電圧計。しっかり燃えていますね。汎用品なので、こちらは別途交換してもらうことにしよう。
ということで、組み立てなおし動作確認。AC 223V出力されました。
アイドル時の消費電力は36W。5000Wインバータなのでこのくらいかな。
最後に電源投入後の波形。
今回は運用中に壊れたようなので関係ありませんが、こんな感じで立ち上がってくるので、負荷を接続したまま電源入れるのは止めましょう。

2021年6月27日日曜日

【故障修理】 高砂製作所 安定化電源 3台目 EX-375H2(仮名 1) その2 AC-DC基板について考える

出力回路の回復で一瞬動き出したEX-375H2(仮名 1)くんですが、HV出力が止まってしまいました。( ;∀;)
高電圧で危険なのでテスタであたるポイントを整理するべく分解してみました。





ありがたいことにテストクリップが残っています。
P1_HVG: GND
P2_+HV:+390V(仮値)
P3_+18V:制御基板電源?
P4_Vd:ドレイン電圧
P5_VG:GTDRV(UC3854DW)
P6_COM:GND(UC3854DW)
P7_HVSYNC:???

VR1_HV+:出力電圧。仮に390Vに設定
VR2_OVP:HV電圧の上限設定、仮に410Vで設定

K1162 データシート N-Channel MOS FET 500V 10A(30A Peak)
 なんとなくですが、整流ブリッジから直で116Vまで受電し、その後ドライバで390Vまで昇圧しているように見える。
 あの垂れ下がっているダイオードに高圧が来ているとは・・・恐ろしいや('Д')
それ以外の端子はDCレギュレータとかから5V 3本、15V 2本、整流後直接出力 2本作っているようだ。

とりあえず問題なさそうなので、ヒューズ交換して終わりとする。




2021年6月20日日曜日

【故障修理】 高砂製作所 安定化電源 3台目 EX-375H2(仮名 1) その1 出力されない原因の特定

 修理3兄弟もやっと最後の1台となりました。

(仮名 1)
・制御パネル 正常
・制御基板 出力反応なし
・AC-DC基板 HV LED消灯
・DC制御基板 未確認

一番重症で、最初に中身確認のため分解した子です。

フォトカプラの入力ドライブとLEDが直列で接続されています。
よく見ると電圧が出るタイミングでLEDが薄っすら点灯していました。
出力もあるので、とりあえずAC-DC基板は正常とします。

裏面から配線ルート確認。
近くのICは型番が消えかかっていてよく読めない。

続いて制御基板の「出力反応なし」について確認します。
出力操作は操作パネルのボタンとDIP-SWの2種類あり、両方とも反応しません。
配線を追いかけたところ同じIC(74HC74)に伸びていました。
フリップフロップの1回路目に入力され、CLRとDはHigh状態。
・DIP-SW Highでボタンの立ち上がりで出力を切替
・DIP-SW Lowで出力High固定、
しているようです。
手持ちにF74しかなかったので、とりあえず交換。
残念ながら入力感度が違うので操作ボタンは反応せず、
DIP-SWで出力できるようになりました。(^^♪
あれ、なんか電圧表示が違う!! ( `ー´)ノ
何度か電源Off/Onするとドンピシャの場合もある。
一度決まると電源を切るまでは変化しないので、起動時に問題があるようだ。

色々試していたら、出力しなくなった!。( ;∀;)
確認していったらHV電源の電圧が0Vになっている。
電圧が安定しなかった原因はこれかな?




2021年6月12日土曜日

【故障修理】高砂製作所 安定化電源 2台目 EX-375H 制御パネル修理

 修理依頼3台の2台目。

☆ EX-375H

・電圧、電流表示 OK
・Votageツマミ  OK
・Currentツマミ OK
・PRESETボタン 接触不良
・OVPボタン   NG
・OCPボタン   NG
・OUTPUTボタン NG
・無負荷での電圧確認 0~240V OK
・OVPテスト  未実施
・OCPテスト  未実施
・負荷テスト  未実施

出力電圧も正常に出ているし、パネル表示も正常。
ボタン交換だけなら楽勝かな(^^♪

と言うことで分解。
反対側、
ん? なんだろうこれ。蓋とる時に引っ掛けたかな?
ダイオードとか
制御基板
フロント周辺だけでもかなりのVRが!!
触りたくない( ゚Д゚)
操作パネル部分。H2とは異なりこちらにHC14433Aがいる。
操作パネル裏面
問題の操作スイッチ。接触不良を確認できたので交換。
さて治ったかな?
ん? 反応ないんですけど、
まぁ、OCPはMax固定で使っていたようなので問題ないよね。
と開き直り、出力テスト開始。
む!! OCP LED点灯。どうもOCP 0Aになっているようです。
制御基板のVR群と戦うのかと諦めながらも、一途の望みを持ちつつ制御パネルから調べていきます。
制御パネルのVRはOVP、OCPで共通の電源から取っているようです。
ん? この膨らみはなんだ!
試しにテスタで当たると切れています。よかった(*´ω`*)
いつものように削ってパターン修復。
はい。OCP 復活しました。
前回同様に電子負荷で120V、300Wの範囲でテスト。
さすが初代、出力W表示があるのがいいですね。
問題なさそうですね。
そうそう、忘れないようにこちらも信越シリコーンで補強しておきました。